読書

『メタバイオエシックスの構築へ――生命倫理を問いなおす』

昨秋からいろいろあって、このブログの更新が滞ってしまっていました。 藤田弘夫先生の「お別れの会」のご報告もまだでした。それについては、また改めてさせて頂きます。さて、昨日2月25日にNTT出版から小松美彦・香川知晶編『メタバイオエシックスの…

「いのち」から現代世界を考える

2008年度前期に慶應義塾大学経済学部で展開された連続講義が、講義録として一冊の本になりました。 高草木光一編『連続講義「いのち」から現代世界を考える』(岩波書店、2009年)です。 岩波書店のサイトでは、大村次郷氏によるカバー写真を見ることができ…

「新ブラックジャックによろしく」6巻

大学での講義を終えて、帰りみちに本屋で見つけ、湘南新宿ラインで人目も気にせず読みふけってしまったのは、『新ブラックジャックによろしく』6巻です。 講義や授業では、下手な脳死臓器移植についての本(活字)を読むよりも、『ブラよろ』の移植編を読む…

魍魎の匣

京極夏彦の『魍魎の匣』を、7〜8年ぶりに読み直してしまいました。 2008年10月から12月にアニメ化されて放映されていたこともあり、また、高校生から「面白かった」という反応をもらったこともあり、久々に読み返してみることにしたのです。いろいろな読み…

書評「動物からの倫理学入門」の補足

先日の『図書新聞』(2009年4月4日号、第2912号)で書評させて頂いた伊勢田哲治『動物からの倫理学入門』が、評判になっているようです。→ ●2009年3月27日のエントリー「英米系の倫理学についてのテキストとしては、とてもよく出来ている」というのが、共通…

豚のPちゃん

『豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日』を読みました。映画にもなって、ずっと気にはなっていました(映画は見逃してしまったので…)。僕も高校で「生命倫理」に関わる内容の授業を行っているので、「命の授業」の実践として、どのようなことが行われ…

書評「動物からの倫理学入門」

今週発売の『図書新聞』2009年4月4日号(第2912号)で、『動物からの倫理学入門』の書評をさせて頂きました。 この本は、「動物倫理」という領域を「倫理学」の立場から検討する非常に良くできた入門書です。 「動物倫理」に「倫理学」の立場から、というと…

優生学と自己像

『現代人の社会とこころ―家族・メディア教育・文化』で、イギリスでの優生学の登場と当時の社会状況について、「自己像」をキーワードに短いコラムを書かせて頂きました。3月23日刊行予定です。社会学では、「こころ」をどのように考えてきて、そして考え…

ヘイ・オン・ワイの古書店街を歩く――古本の魅力

『神田神保町とヘイ・オン・ワイ―古書とまちづくりの比較社会学』という本に、イギリス(ウェールズ)のヘイ・オン・ワイという古書の村についてのエッセイを書きました。そのエッセイのタイトルが、「ヘイ・オン・ワイの古書店街を歩く――古本の魅力」です。…

書評「エンハンスメント」

『週刊読書人』さんのhttp://www.dokushojin.co.jp/80215.htmlで、『エンハンスメント―バイオテクノロジーによる人間改造と倫理』の書評をさせてもらいました。ちょうど昨年の今ごろですね。 この本は、150ページほどのものながら、「エンハンスメント」とい…

エドウィン・チャドウィック――都市空間と公衆衛生

最近、形になった仕事として、『世界の都市社会計画―グローバル時代の都市社会計画 (アーバン・ソーシャル・プランニングを考える)』に「エドウィン・チャドウィック」という人物についてのエッセイを書かせてもらいました。 チャドウィックという人は、19世…