「改正案」の衆議院本会議での採決をめぐって

あまり指摘される場面に出会わないのですが、現在の「臓器移植法」というのは議員立法でした。「国会」は、三権分立でいうところの「立法府」にあたるわけですが、現在、衆議院に提出されている「議案」のうち、議員提出の法律案の数は、71。それに対して、内閣提出の法律案の数は、86。つまり、国会議員が提出した法律案よりも、内閣が提出した法律案の方が多いわけです。*1
こうした状況にあって、「臓器移植法」の「改正案」については、すべて議員提出法案で4つの「改正案」が提出されているわけです。その上で、それぞれの「改正案」に関して、議論が行われているのです。国会議員が自ら提出した法案について、お互いに主張をぶつけあう、というのは、当たり前のようにも思われますが、「臓器移植法」のほかに、こうした「健全な議論」が行われている法案はあるのでしょうか?
とりあえず、政党主導で対案が提出されたりもしますが、「臓器移植法」のように、自民党民主党の所属議員でも支持する法案が割れるような状況というのは、ひょっとしたら、もっとも「議会」という制度が機能している状況なのかもしれない、なんて思ったりしています。
こうした議論をどのようにまとめてゆくのか。国会議員の「議員力」が問われているのかもしれません。

というわけで、「臓器移植法改正案」について、いよいよ衆議院本会議での採決についての日程が話題になってきました。マスメディアの報道によると、いまのところ、来週16日(火)という可能性が高いようです。

続きを読む