脳死と臓器移植

15歳未満の脳死判定と臓器提供

ついに15歳未満(報道によると10代前半)の子どもが法的脳死判定され、臓器摘出、移植へと進むようです。ニュースリンクを、とりあえず。http://mainichi.jp/select/today/news/20110412k0000e040014000c.html http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110412/k10…

和田寿郎氏逝去のニュース

和田寿郎氏が2月14日に亡くなりました。 「脳死臓器移植」という問題、さらには日本における「生命倫理」の歴史を考えるうえで、重要な位置を占める「和田心臓移植」の執刀医として、文献・資料等を通してでしか知りませんが、ご冥福をお祈りしたいと思いま…

改めて、親族への優先提供について:議論の開始

この7月に成立した「改正臓器移植法」ですが、来年の施行に向けての具体的な省令・ガイドラインの策定(改定)についての議論が始まっていました。 9月は新学期が始まる時期というわけで、ちょっと情報収集を怠っていたこともあり、知りませんでした…(更…

「脳死移植ゼロ」という現実―「脳死移植」の理解が深まるとは、いかなることか

先週になってしまいましたが、9月4日の日経新聞朝刊社会面に「脳死移植 半年ゼロ」という記事がありました。 NIKKEI いきいき健康 ネット版では冒頭の2段落分しかありません…(今日のエントリーの最後に記事全文を引用しました)この7月に「臓器移植法改正…

参議院でのA案可決、成立について

13日の参議院本会議で採決された「臓器移植法改正案」ですが、個人的にはもっとも「危険」であると思われたA案が可決し、成立しました。 この事態に対して、すでに、採決直後からいくつかのグループが記者会見し、意見表明をされています。 「生命倫理」に…

「A案」の原動力は「誠実さ」なのか?

「臓器移植法改正案」の審議が、よからぬ方向に進んでいるように思います。 7月9日のエントリーでも触れましたが、東京都議会議員選挙の結果によっては、衆議院の解散もあるという状況で、参議院での審議を打ち切り、早くも本会議での採決を「強行」するよう…

参議院での審議(参考人の一覧など)

「学期末」ということで、ここのところ試験問題の作成やら採点やらに追われています。けれども、参議院での「臓器移植法改正案」をめぐる審議は着々と進行しているという現実があります。 週明けの13日にも参議院本会議で採決という報道すらあります。 http:…

「A案可決」と「小児科学会」をめぐる報道について

「臓器移植法改正案」をめぐっては、18日の衆議院本会議で「A案」が予想外の大差で可決され、参議院でも月末には審議が開始されると言われています。 「A案」への対案となる「改正案」の準備も進んでいるようです。子ども脳死臨調盛る 臓器移植法、有志議…

「臓器移植法改正案」衆議院でのA案可決について

18日に衆議院で可決された「臓器移植法改正案」の「A案」ですが、河野洋平衆議院議長の「花道」論が指摘されています。 臓器移植法改正A案、衆議院可決 - kanjinaiのブログ http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090619ddm002010086000c.html…

ひとまず速報で…

「臓器移植法改正案」の衆議院本会議での採決ですが、賛成263票、反対167票でA案が可決したようです。 予想外に大差のついた結果で、残念です。 「一律に脳死は人の死」という規定はもちろん、イスタンブール宣言やWHO(新)移植指針が求めている生体移植…

党議拘束を外しても結局は…。「虐待」対策はどうするのか…。

いよいよ明日の衆議院本会議で「臓器移植法改正案」の採決が行われるのですが、「党議拘束を外す」というのは名ばかりの様相を呈してきているようです。 移植を待つ子どもを救うため、とはいえ、A案の内容で臓器移植法が「改正」されても、すぐには、子ども…

脳死臓器移植と医学・医療技術の進歩と価値観

「臓器移植法改正案」の衆議院での審議は、今日午後の本会議での簡単な討論を終え、18日にも、いよいよ採決という状況になりました。 (未熟者ながら)「脳死臓器移植」の社会的文化的側面を研究してきた者として、少し広い視野から、この問題を考えてみたい…

生命倫理会議「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説(4・完)

生命倫理会議が公表した「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説の続きです。生命倫理会議のサイトから声明文を引用しつつ、それらに「勝手な解説」を加えてみたいと思います。 先日のエントリーでは、声明のうち、「脳死=死」についての7)を解…

生命倫理会議「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説(3)脳死をめぐって

生命倫理会議が公表した「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説の続きです。生命倫理会議のサイトから声明文を引用しつつ、それらに「勝手な解説」を加えてみたいと思います。 先日のエントリーでは、声明のうち、6)まで解説したので、7)につ…

生命倫理会議「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説(2)

生命倫理会議が公表した「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説の続きです。生命倫理会議のサイトから声明文を引用しつつ、それらに「勝手な解説」を加えてみたいと思います。 先日のエントリーでは、声明のうち、前文、1)、2)について解説し…

生命倫理会議「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説(1)

生命倫理会議は、生命倫理の教育・研究に関わっている大学教員の方々70名以上の集まりです。生命倫理会議のブログを見ると、5月12日に「臓器移植法改定に関する緊急声明」を発表して以来、記者会見の模様や、メディアでの報道のされ方を公開するなど、緊急声…

「改正案」の衆議院本会議での採決をめぐって

あまり指摘される場面に出会わないのですが、現在の「臓器移植法」というのは議員立法でした。「国会」は、三権分立でいうところの「立法府」にあたるわけですが、現在、衆議院に提出されている「議案」のうち、議員提出の法律案の数は、71。それに対して、…

TBS「総力報道!THE NEWS」と「見えない死」

昨日5日に、衆議院厚生労働委員会での「臓器移植法改正案」の審議があり、これをもって実質的に審議終了となりました。 5月27日に続き、6月5日の審議は5時間以上に及んだようです。審議の模様は衆議院のインターネット審議中継で見ることが出来ます。 → http…

運転免許の更新で思ったこと〜脳死臓器移植の「普及・啓発」活動?

誕生日を1ヶ月ほど前に迎え、気づけば運転免許の有効期限が迫っていたので、慌てて免許の更新をしてきました。「優良」ということで(ここ数年は運転する機会が激減中)、地元の警察署での免許更新でした。運転免許証がICカード化されていたりとか、新しい…

世論調査は何を意味しているのか?〜社会的合意をめぐって

最近は、「社会的合意」をめぐる議論がそこまで盛り上がらないせいか、内閣府による世論調査の数字が独り歩きするような状況ではないので「ホッ」としていたのですが、先日の厚生労働委員会での審議でも、「世論調査の結果」に言及されつつ、「脳死は人の死…

衆議院での審議(インターネット中継)

さて「臓器移植法改正」をめぐって、ついに27日の水曜日に衆議院厚生労働委員会で審議が始まりました。 たまに衆議院のページをチェックするようになって、はじめてインターネット中継の存在を知りました。 もちろん、先日27日水曜日、「臓器移植法改正案」…

「新ブラックジャックによろしく」6巻

大学での講義を終えて、帰りみちに本屋で見つけ、湘南新宿ラインで人目も気にせず読みふけってしまったのは、『新ブラックジャックによろしく』6巻です。 講義や授業では、下手な脳死臓器移植についての本(活字)を読むよりも、『ブラよろ』の移植編を読む…

生体からの心臓移植?

アメリカの臓器移植に関する統計は、「全米臓器調達・移植ネットワーク(Organ Procurement and Transplantation Netwaork)」のページに行くと、最新の情報が入手できて、授業で使うときや、いろいろ考えるときには、役に立ちます。 OPTN: Organ Procuremen…

改正案の比較(3)WHO移植指針との比較

先日のエントリーで、WHOの移植指針について取り上げました。(5月24日のエントリー) せっかく臓器移植法を修正するのであれば、その新しい移植指針に対応できるようにすべきなのではないかと思います。「国際標準に合わせる」というのであれば、なおさら、…

WHOの(新)移植指針について

今回の「臓器移植法改正」論議で、「外圧」として挙げられているのがWHO(世界保健機関)の移植指針改正です。5月のWHO総会で採決される予定だったという、この移植指針の存在が、早ければ今月中とも言われる「改正案」採決を後押ししていたのではないでしょ…

改正案の比較(2)現行法第6条はどう変わるのか

現在、国会に提出されている「臓器移植法改正案」は4つになりました。その比較というか、それぞれの法案について、まだまだよくわかっていない、もう少し考えないといけないのではないかと思う今日この頃です。 先日のエントリーではちょっと横道にそれてし…

「脳死」をめぐる議論の整理

「臓器移植法改正」論議で、ようやく(?)大きな論点となってきたのが「脳死は人の死か?」というものではないでしょうか。 この「脳死」をめぐる議論を簡単に整理しておきたいと思います。

フジテレビ「サキヨミLIVE」について

2009年5月17日夜のフジテレビ「サキヨミLIVE」の「アスヨミ」コーナーで、「臓器移植法」とどう向き合うのか、「小さな命 どう救う? “脳死”に揺れる家族」という特集がありました。 「長期脳死」に関して取り上げられていたので、興味深く見たのですが、残…

改正案の比較(1)

ついに4つになった「臓器移植法改正案」ですが、日本移植学会のホームページで、「改正案」としてあがっているA案、B案、C案、D案についての比較表が掲載されています。 ただし、この比較表は、研究者の目で見ると(そうじゃなくともだと思いますが)、…

生命倫理会議の緊急声明への連名者

5月12日に緊急声明を発表した生命倫理会議ですが、この緊急声明の連名者が公表されていました。 生命倫理会議: 緊急声明 連名者「生命倫理の教育・研究に携わっている大学教員の集まり」ということですが、生命倫理や関連分野の著名な研究者のお名前もありま…