エドウィン・チャドウィック――都市空間と公衆衛生

最近、形になった仕事として、『世界の都市社会計画―グローバル時代の都市社会計画 (アーバン・ソーシャル・プランニングを考える)』に「エドウィン・チャドウィック」という人物についてのエッセイを書かせてもらいました。
チャドウィックという人は、19世紀イギリスで活躍した官僚です(「官僚」というと冷たい感じがしますが)。
世界初の「公衆衛生法」成立に尽力した人物、あるいは、救貧法の改正(改悪?)から福祉国家の基礎を築いた人物など、主として公衆衛生改革の文脈と社会福祉の文脈で有名です。
このエッセイでは、公衆衛生と都市計画とが、チャドウィックのなかで結びついていたということを紹介しました。
まあ、もともとある論文に書かれていた着想を、短くわかりやすくまとめたに過ぎないものです。(参考にした論文は、ちゃんとエッセイに書誌情報を書いてあります)
とはいえ、19世紀イギリスの都市社会や公衆衛生ということを考えるとてもいい機会でした。
19世紀末から20世紀初頭に誕生した「優生学」にも連なるもので、社会学の歴史とも関係していて、いま準備している論文にも活かせそうです。

世界の都市社会計画―グローバル時代の都市社会計画 (アーバン・ソーシャル・プランニングを考える)

世界の都市社会計画―グローバル時代の都市社会計画 (アーバン・ソーシャル・プランニングを考える)