風の谷のナウシカ

地元のマンガ専門店で、ついつい、マンガ版『風の谷のナウシカ』全7巻を大人買いしてしまいました。セットではなく、1巻から7巻までバラで、なのですけれど。
もちろん、既に全巻揃えて持っていたので、買ったのは2セット目です。
買ったのはコレクションとして残すため、ではなく、非常勤でお世話になっている高校に持っていって、生徒の貸し出し用にしようかと思ったからだったりします。

マンガやアニメでも、よい作品ならば、活字以上に真剣に読む・観る、そして考えるための素材になると思います。「ナウシカ」は、生命倫理の問題だけではなくいろいろなことを考える取っ掛かりになる、僕はそう思っています。あくまでも取っ掛かりであって、これを読んで「考える」、さらに他の文献に手を伸ばすことが大切なのは、言うまでもないですが。
よく知られているように、アニメ映画の『風の谷のナウシカ』で描かれているストーリーは、マンガ版『風の谷のナウシカ』だと2巻くらいまでの物語に基づいているものです。マンガ版は、環境、生命、宗教、テクノロジーユートピアなど様々な側面から考えることができる内容だと思います。(「学術的」に考えすぎるのは、物語の面白味を減じてしまう気もしますが…)
個人的には、様々な最終巻の最後のシーンにあるナウシカの言葉に込められた重み、その辺を考えることが、完結から10年以上経ったいまでも色あせない、あるいは、iPS細胞やES細胞研究によって再生医学が大きく進展しそうな今だからこそ、興味深いものなのではないかと思っています。

いずれにせよ、こうやって高校の社会科準備室にマンガばかり持ち込んでしまって申し訳ないです…。


学部生時代に所属していたKPSというサークル慶應サイコロジーソサエティー:当時は心理学を主とした勉強会サークル)の機関誌に、かつて「ナウシカ論」を書いたりしてました。いま読み直すと恥ずかしいのですが、学部生時代に作ったサイトの残骸に、まだ残っていたりします。
ナウシカ論といえば、稲葉振一郎氏の『ナウシカ解読―ユートピアの臨界』や正木晃氏の『はじめての宗教学―『風の谷のナウシカ』を読み解く』などもありますね。ちゃんと調べていないのですが、作品としてのナウシカ研究はもっとありそうです。
研究に疲れたら、またじっくり、ナウシカについて考えてみよう、って思ってます。