書評「動物からの倫理学入門」

今週発売の『図書新聞』2009年4月4日号(第2912号)で、『動物からの倫理学入門』の書評をさせて頂きました。
この本は、「動物倫理」という領域を「倫理学」の立場から検討する非常に良くできた入門書です。
「動物倫理」に「倫理学」の立場から、というと、「当たり前!」と思われるかもしれないですが、生命倫理にしても(医療倫理も?)、環境倫理にしても、科学技術倫理にしても、「倫理学」の立場から発言している人は、比較的少ないように思います。
これは「倫理の危機」だと思います。誰でも(倫理学者ではなくとも)気軽に「倫理」を語る。そこで語られる「倫理」って何なのだろう?語られる内容と「倫理」という言葉が乖離しているのではないかと思うこともしばしばです。と、まあ、そんなことを言いつつ、僕自身が専攻してきたのも社会学なので、正面から「倫理」を語ることには、どうしても躊躇いを感じてしまうわけですが…

図書新聞の書評では、本書の内容をざっと紹介した上で、「英米系の現代倫理学の縮図」となっている、と紹介させてもらいました。

図書新聞のサイト

●2009年4月11日に補足を書きました。


動物からの倫理学入門

動物からの倫理学入門