4番目の臓器移植法改正案(D案)

臓器移植法改正」論議は、いよいよ4つめの法案(D案)が提出されたようです。
ただ、まだ衆議院のHPでは公開されていないようです。*1

これまでの報道では、いくつかポイントが挙げられています。

  • 脳死は人の死か」という論点については、現行法を維持
  • 現行法(ガイドライン)で意思表示が有効とされていない15歳未満の臓器提供も認める

個人的に興味深く思ったのは、15歳未満の臓器提供の条件として、「家族の同意」と「第三者機関による承認」が挙げられていることです。いわゆる病院倫理委員会の設置が必要になるということなのかもしれません。そうなると、アメリカのように「バイオエシックス」が専門領域として確立することになるのかもしれません。ただ、いわゆる倫理委員会をつくれば問題が解決するわけでもないので、微妙なところではあります。

このD案が正式に提出される前に出されたものですが、日本弁護士連合会は5月7日付の会長声明で批判しています。また、5月12日に緊急声明を発表した「生命倫理会議」もD案を名指しで批判しています。さらに5月14日に緊急声明をそれぞれ発表した臓器移植患者団体連絡会などと日本移植学会も、ともにD案を批判しています。
これだけ方々から批判されているD案ですが、こういう法案が成立するんだろうな、なんて思ってしまいました。

日弁連の会長声明
生命倫理会議の緊急声明
臓器移植患者団体連絡会の緊急声明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090514-00000012-cbn-soci

5月10日付ですが、「まとめ」的な記事
http://sankei.jp.msn.com/life/body/090510/bdy0905101800008-n1.htm

*1:2009.5.19に確認したところ、公開されていました。http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g17101030.htm