そこに「生命倫理研究者」はいなかった…

4月21日の『毎日新聞』夕刊に、「臓器移植法改正」をめぐって衆院厚生労働委員会の小委員会で、参考人質疑が行われたとの記事が大きく載っていました。(東京版では一面トップ)
時事ドットコムにも、短い記事があります。

毎日新聞の記事によれば、参考人として意見を述べたのは、陳述順に「日本医科大病院の横田裕行副院長」「日本弁護士連合会人権擁護委員会の光石忠敬特別委嘱委員」「国立小児医療研究センターの雨宮浩名誉センター長」「大阪医大の田中英高准教授(小児科学)」「海外で心臓移植を受けた青山茂利さん」「日本宗教連盟の斎藤謙次幹事」の6人とのこと。
医療の専門家の方々に、最新の知見を教えてもらいたいと、常々、思っていたので、どのような意見が述べられたのか楽しみです。詳細は22日朝刊に記事が掲載されるそうなので、ひとまず、それを待ちたいと思います。

ただ、この参考人の方々の名前をみて感じるのは、それぞれ専門家や当事者ではありますが、「生命倫理研究者」が一人もいない、ということです。

もちろん、光石氏のように、かつての「脳死臨調」のメンバー(参与)だった方もおり、それなりにバランスのよいメンバー構成なのかもしれません。
それでも、脳神経外科、移植、小児科の医療の専門家に、レシピエント当事者、宗教、弁護士という顔ぶれは、「倫理学者」というか「生命倫理研究者」不在で議論が進められてしまう日本の「生命倫理」をめぐる状況を示しているようで、ちょっと寂しいものでした。